天への階段
私の夫の家臣はみんな死んでしまった。
もう、私が頼れる人間は誰もいない。
逢いたい。みんなに。
「みん…な…どこ…?」
声に出して呼んでも帰って来ないのは分かっている。
でも、逢いたい。
また、みんなとわいわいして飲んだり、食べたりしたい。
そうだ。私もみんなの所へ「かえる」と良いんだ。
もう、この世には私を思ってくれる人はいないもの。
さぁ、行こう。どこまでも。
「ねぇ。お前様。」
「何じゃ、ねね。」
「本当によかったのかな。」
「わしゃ、わからん。じゃがねねが決めたことなら、良いんじゃないのか?」
「お前様…。」
「…そうだよね。」
「なにがじゃ?」
「もう決めたことはそのままやれ。そういったのお前様だったよね。」
「そうじゃったか?」
「うん。お前様が若い頃に言ってたよ。」
「そうじゃか。」
私は本当によかったなんて思ってないけど、
こうして、また貴方に逢うことが出来た。
それだけでよかったんだ。
だから、これからも頼むよ。お前様。